中年野球。

下手でもいい。でも上手くはなりたい。人間だもの。

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超クラシックユニフォーム完成!

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ついに我が中年草野球球団「東京フォッケウルフ」のユニフォームが完成した。写真上がその完成品で、モデルは我がチームの控え右翼手であるマリオ二等兵だ。

 

わたくしが当初抱いたデザインテーマは「大昔のアメリカ大リーグ」というか、映画『フィールド・オブ・ドリームス』のジョー・ジャクソンつーか、とにかくあのトウモロコシ畑のなかからワラワラと湧いてくる、ダボダボのユニフォームを着た連中だ。あの感じを、現代において実現したかった。最近のチームは草野球でも皆さんピチピチ系のを着てらっしゃるけど、あたしゃアレが嫌いなんですわ、すみません。

 

で、「ユニフォーム クラシック」で検索をカマすと、どうやらその市場はWITHUSさんという会社が独占してらっしゃるようで、ほかにダブダブのクラシック系を扱っている会社はない模様。いやあるのかもしれないが、見つけることができなかった。

 

しかしWITHUSさんとこのデザインは十分イカしてるし値段も手頃だということで、自分はチームのユニフォームをそこで作ることを決定。で、わたしとしてはこのデザイン(↓)、Subway-1ってやつがいちばんシブいのではないかと思った。

 

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 ※画像はWITHUSさんのサイトからキャプチャーさせていただきました。

 

そして昨年末。東京恵比寿の某野球居酒屋にて我がチームの第1回忘年会が開催されたわけだが、そこは「第1回ユニフォーム選択会議」の場でもあった。

 

わたくしは事前に資料を作り、そしてやってきた選手各位の意見を募った。

 

しかし「募った」といってもわたしのハラは実は既に決まっており、誰が何を言おうと結局は上のSubway-1に決めてしまうつもりでいた。主将権限である。

 

……普段からグラウンドの確保に始まり用具の手配、お金の管理、対戦相手への土下座、そして練習終了後のボール磨きなど、主将という名の雑用係を一手に引き受けているわたしだ、そのぐらいのワガママは許されて然るべきじゃないか……と思ったわけである。

 

そして第1回ユニフォーム選択会議はスムーズに進行し、いろいろな意見は出たものの、「まぁ結局は軍曹が推してるSubway-1でいいんじゃね?」的なムードで場は熟成しつつあった。

 

しかしそこで、我がチームの名誉監督であり著名モータージャーナリストである清水草一がとんでもないことを言い出した。

 

「……ワシはやっぱりTopgun-1が良いと思う」

 

……Topgun-1つーのはコレだ。

 

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※画像は同じくWITHUSさんサイトより。 

 

これすなわち今現在の我がチームのユニフォームなわけだが、会議中はわたしを含む誰もが「まぁ少なくともこれだけはないなww」と言って馬鹿にしていたやつである。

 

しかし名誉監督はそれが良いという。

 

……まぁ名誉監督であり、自動車メディア業界の重鎮でもある清水さんをここで論破するのもアレだから、ここは一つテキトーに「あ、そうすか。で、別の案件についてですが……」とかなんとか話を無理やり別方向に持っていき、ユニフォームは後日、俺権限でSubway-1に決めちゃえばいいや。清水さんもまぁわかってくれるだろう……と思っていた。

 

が、話はさらに思いもよらぬ方向へと転がっていった。

 

「悪くないんじゃない? Topgun-1って」

 

誰ががそう言う。そして「あぁ……もしかしたらそうかもしれないね」と同調者も出てくる。

 

Topgun-1になびいていった者の意見をサマライズすると、以下のとおりだ。

 

1 草野球チームのユニフォームはたいてい地味な色合いである場合が多い。しかしこれは鮮やかな水色であるためグラウンドがなんか明るくなる。

2 他のチームと絶対にカブらない・

3 なんか知らんけど、良く見えてきた。

 

……3の意見などは単に酔っ払っただけなんじゃねえか? とも思うわけだが、困ったことに、実はわたし自信もTopgun-1が良いように思えてきた。

 

 酔っ払ったのか? いや、そうではない。このTopgun-1を着ている者が1人ではなく「9人以上の集団」になった際の変態的な破壊力を脳内でイメージし、そして「……それってもしかしたらイイかもしれない。異様だけど、そこがイイのかもしれない!」と思うに至ったのだ。

 

そして、わたしは自身の無知というか実力不足を恥じた。

 

わたくしはユニフォームに限らず、何だって常に「それなりにセンスの良い何か」を選ぶことができる。若い時分の学業も、全然大したことはないが、それなりにまあまあ優秀ではあった。

 

しかし、それだけなのだ。そこが、わたしの限界なのだ。

 

わたくしのセンスというのは「それなりに」とか「まあまあ」とか、そういった中途半端に良い選択や結果しか生まないのである。もちろんそれは決して悪いことではないし、まあまあ良いことでもあるのだが、それでは「ぶっ飛んだ何か」を得ることはできないのである。

 

しかし名誉監督の清水は違う。完全にぶっ飛んでいる。常人には見えない何を、彼は見ている。そこが、業界の重鎮である清水草一と、まあまあのライターでしかないわたしの差なのかもしれない。

 

……と、以上のことを0.5秒で考えたわたくしは、「うむ。じゃ、ユニフォームはTopgun-1にしましょう!」といきなり宣言した。何人かは、というか3分の2以上の選手はその決定に疑問を持っていたようだが、「まあ監督と主将が言うんじゃしょうがねえや」的なニュアンスで沈黙を守っていた。

 

そして注文から約30日が経ち、出来上がったTopgun-1。まずはわたくしが着用した写真を選手各位にLINEで送り、その後、冒頭のマリオ二等兵バージョンを皆に送った。

 

あの場で沈黙していた者らも「素晴らしい! 素晴らしすぎる!」と大絶賛した。

 

清水草一という男の稀有な才能を改めて実感するとともに、「世の中やっぱぶっ飛ばなきゃダメだな」とも痛感した、凡人たる不肖わたくしなのであった。