中年野球。

下手でもいい。でも上手くはなりたい。人間だもの。

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守備のミスを減らす魔法のことば、それは「確認!」

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『ドラゴン桜』でおなじみの漫画家・三田紀房先生の、ドラゴン桜以前の傑作野球マンガ『クロカン』については過日、当ブログで触れた。筆者が文庫版全巻を大人買いした直後に三田先生の公式サイトで全話が無料公開されるという訃報はあったが、それはさておき、大変素晴らしいエンターテイメント作品であった。

 

しかし舞台が甲子園を目指す高校野球部であるという点と、「監督」という部分にかなりフォーカスされた作品であるという点から、「中年野球選手が具体的に参考にすべきテクニカルポイントは少ない」とも述べた。

 

しかし昨日夜に再読してみたところ、中年野球選手にとってかなり重要な、やたらと参考になるであろうテクニカルポイントも記載されていることに気づいた。

 

「確認」である。

 

クロカンこと黒木竜次が率いる田舎の高校野球部は次第に強豪校へと進化していくのだが、これは同校がまだ全然「田舎の超弱小校」だった頃、監督に就任したばかりの黒木はバント守備の練習中、選手たちにこう言う。以下、セリフも写真も三田紀房作『クロカン』文庫版(日本文芸社)からの引用である。

 

「ここでひとつ確認だ!

ランナー スッ転ばない限り すべて一塁に送球することだ!

バントはとにかく打者走者を殺す これを全員で意思統一しろ!」

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「いいか! 常に頭を使え!

常に考えて プレーのパターンを想定し

それに従って動くんだ!」

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「あらかじめ考え 決めたこと以外のことは絶対にするな!

それ以外のことをしようとすると無理になる!

無理がミスになる!

ミスで集中力が切れる それが大量失点になる」

(引用おわり)

 

……確かにそのとおりである。

 

わたしが中年野球の最中にミスをするのは、そもそもの基本技量が不足しているという側面も多分にあるが、それに加えて「あわてふためいた時」だ。

 

想定外の何かが起きたときや、そもそも「想定」をせずにボーッとしてるときにやや難しい打球が来たり、やや難しい判断を迫られるシーンが現れると、「あわわわわわわ!」という感じでくだらないファンブルをしたり、暴投をしてしまうのだ。

 

しかし作中でクロカンが言っているように、ワンプレーごとに起こりうる可能性をしっかりと脳内でシミュレートし、

 

「(アウトカウントを考えて)正面付近にきたらとにかくしっかり捕球して、しっかり一塁に投げる」

「センター前に飛んだら二塁のカバーに入る」

「左中間あたりを抜けたら、第一カットマンに入る」

「そして打者走者の位置を確認して二塁または三塁に送球する」

「やや前方にフライが来たら……」

「やや後方にフライが来たら……」

 

等々々々々をすべて考える。で、考えた結果以外のアクションは絶対にやらない。欲を出して「あ、やっぱりここでこうしたほうが……」みたいなことは絶対にしない……ということを決めておくだけで、ミスは著しく減る。ミスが減れば、ドタバタの中年ゆえ決してカッコ良くはないかもしれないが、それでもなんとか「野球」にはなるのだ。

 

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……この「確認!」というサインとポーズが我が東京フォッケウルフで浸透するかどうかは甚だ謎で、たぶん浸透しないような気もしているが、しかし「確認のエッセンス」だけは浸透させたいと思っている不肖わたくしなのであった。押忍。