中年野球。

下手でもいい。でも上手くはなりたい。人間だもの。

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中年外野手のゴロ捕球姿勢は70'sスタイルがいい?

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何本か前のエントリで、「我々おっさんが草野球をやっていた70~80年代と今では使われているボールの規格が違い、弾み方も違う。それゆえゴロの捕球に要注意」っちゅう感じの内容を書いた。それとはまた違うジャンルの話だが、当時と今とでは常識がまったく異なるものが一つある。

 

外野ゴロの捕球姿勢だ。

 

70年代から80年代前半頃に少年野球(学童野球)をやっていた人は練習中、指導者からこう教えられたはずだ。

 

「外野ゴロは身体の正面で、腰をおもいっきり落として片ひざを地面に付けて、確実に捕球すること! トンネルだけは絶対にするな!」

 

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……超絶へったくそな絵で恐縮だが、まあこんな感じの体勢である。

 

その後も継続して野球をやっている人にとっては「何を今さら」な話だろうが、わたしのように「野球やるのは30年ぶりですわ」的な中年野球ビギナーは知らない人も多いかもしれない。

 

実は今、この捕球体勢はまったく推奨されていない。

 

「マジで!?」という話だが、マジである。今は外野手も、内野手と同じような体勢でゴロを捕球するのがトレンドであり、トレンドっつーか「基本」とされているのだ。昔ながらの片ひざ立て姿勢が推奨されているのはかなり弱い系の小中学校チームだけで、学童野球でもちょっと気の利いたチームなら片ひざ立てなどしない。

 

……いや、「しない」と言いきるのも間違いなのだろう。手元にある作新学院高校軟式野球部監督・塩田充夫氏著『本当の基本が身につく軟式野球入門 守備編』(ベースボール・マガジン社)のP67によれば、「コロコロと転がってくる打球に対しては、完全にヒザを落として捕球しても良いだろう。ただ、バウンドしてくる場合はしっかりと足を使って動いていき、打球に合わせていかねばならない」とのこと。

 

要はケース・バイ・ケースということなのだろうが、いずれにせよ外野ゴロ捕球姿勢のトレンドと常識は、我々が小学生だった頃とはまったく変わったのだということを、いちおう頭に入れておいていただきたい。

 

しかし……それを承知のうえであえて思うのだが、中年野球チームの外野手は別に今のトレンドに無理に追従する必要もなく、コロコロ系のゴロに対しては「昔ながらのひざ落としスタイルでがっちりキャッチ!」でも良いのではないだろうか。

 

なぜならば、ヒザを落とす古典スタイルで捕ろうが、最新の内野手的スタイルで捕ろうが、中年野球チームの場合は結果があまり変わらないからだ。

 

もしも内野手的な姿勢で外野ゴロを捕ってからスピーディかつ強烈にビュッと送球できる運動センスがあるなら、もちろん現在のトレンドに合わせたほうがいい。

 

実際、過日の我がチーム初試合では、センターに入った元超エリート野球人である(しかし大学野球部時代に激しく肩を壊し、本格野球人としてのキャリアは残念ながら途絶えた)M下選手が、センター前の強烈なゴロを猛ダッシュで捕球するやいなや(当然、内野手的スタイルでの捕球だ)、一塁へ剛球を放り、見事打者走者をアウトにした。わたくしはライトゴロは見たことがあるが、「センターゴロ」というのは初めて見た。ぶったまげた。

 

まあM下選手とまではいかずとも、それなり以上の捕球技術があり、そしてそれなりの肩があるのであれば、外野ゴロは内野手っぽく捕ったほうが何かといいだろう。

 

しかしあいにくこちとら「中年野球選手」であり、しかもその大半は、わたしを含めてまだ大した捕球技術も肩も持っちゃいない。仮に内野手的にダッと前進しながらの外野ゴロ捕球に成功したとしても、その後はフワッとした情けない球を二塁ベース付近に放るだけなのだ。

 

であるならば、トンネルの確率が上がる最新スタイルよりも、ダサいと言われようが古いと言われようがガシっと腰を落とし、懐かしの70’sスタイルで地味に外野ゴロを捕球したほうが失点のリスクは減り、そして結果としてチームの大勝利が近づくのではないかと思うのである。最初はそれでいいじゃないすか。

 

そうこうしているうちに、わたしを含むへっぽこ野手もそれなりに(あくまでもそれなりに)技術が向上し、いつしか70’sスタイルでは物足りなくなってくるだろう。恥ずかしくもなってくるだろう。そのとき初めて、現在のトレンドを取り入れれば良いのだ。

 

まずは泥臭くヒザを落として確実に外野ゴロを捕球し、それでもダメなら身体で止め、落としたボールをあわてずに拾い、そして二塁ベースにタタタッと近寄っていきながら確実に送球する。まずはそれでいいじゃないか。中年だもの。

 

本当の基本が身につく軟式野球入門 守備編

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