ローカルルールとICBM構想
雨さえ降らなければ、これを書いている翌日には我がチーム発足以来の第二戦が行われるわけだが、当然ながら(?)試合には「ローカルルール」が採用される。相手チーム監督との詳細なルール会議はまだできていないが、おそらくはいつもの、
1:選手交代自由(出し入れ自由)
2:全員打ち(たぶん15人来るので、15番打者まで全員スタメン打者)
3:でも守備は9人(これは当然)
4:盗塁禁止(盗塁ありにするとたぶん試合が終わらないため)
5:ワイルドピッチやパスボールの場合の進塁も禁止(理由は同上)
6:投手は基本、プレートの位置から投げるが、あまりにも四球だらけとなってしまう場合はプレートよりやや前方から投げることも可とする
7:服装自由(我がチームのユニフォームは3日後に出来上がる予定のため、明日は間に合わない)
になると思われる。
こう列挙してみてあらためて思うのは、わたくしどもが今やっている「中年野球」というのは、ちゃんとした草野球を含む「正規の野球」とはまったく別の何かであり、どちらかと言えば子供の頃に近所の空き地でテキトーなルールでやっていた「ままごと野球」に近いのだなぁ……ということだ。当時は人数が少なければ「透明ランナー」を置いたし、忘れたが、そのほかにもいろいろなローカルルールがあった気がする。
「ローカルルール上等! 正規のルールに無理やり従うのではなく、俺たちは俺たちのやりやすいルールでイクぜ!」と基本的には思っている小生だが、さすがに上記の4、5、6についてはなんとかしたいと考えている。現時点ではまだちょっと無理だが、いつまでも「盗塁禁止」「前から放ってもOK」ではあまりにもあんまりだ。……1年後ぐらいまでには、少なくともココについては正規のルールに準ずる形に持っていきたい。
しかしあれだ、軟式野球の正式な規定を調べてみると、ホントいろいろめんどくさいんですね。昔やってたサッカーの世界とはえらい違いだわ。「公益財団法人 全日本軟式野球連盟規程細則」によれば……、
・背番号は監督30番、コーチ29番、28番、主将を10番とし、選手は0番から27番とする。
・(前略)なお、すそ幅の広いストレートタイプのパンツは着用を禁止する。
・スパイクは全員、同色のものでなければならない。
・投手用のグラブに個人名の刺繍を入れる場合、その色はグラブ本体と同色とし、その場所は親指の付け根部分1カ所に限るものとする。なおその大きさについては、最長でもグラブの親指部分の半分を超えないものとする。
いろいろあるなかで、わたくしが特に「……そんなのどうでもいいんじゃね?」と感じたのが上記4項目だ。
安全に関わる規定や、ボールの色と紛らわしい色の投手用グラブを禁じるなどについてはわかる。だが背番号なんざ好き勝手な番号でも誰にも何の迷惑もかけないし(まぁ視認性の問題で4桁番号はさすがに不可だろう。だが3桁までなら別に何番でもいいじゃん)、プロっぽいストレートタイプのパンツも履きたきゃ履けばいい。似合うかどうかは知らんが。
スパイクの色も、より足元でのアイデンティフィケーションが重要となるサッカー選手があれだけ色とりどりの好き勝手なスパイク履いてて何の問題もないのだから、同一チームの野球プレーヤーが黒なら黒に統一しなければならない理由がわたしにはわからない。投手用グラブの刺繍規定については「……こまけえなオマエ! そんな細かいことばっか言ってっからハゲんだよ!」としか言いようがない。
また聞くところによれば、各地域の連盟が主催する大会ではさらにハゲが、ハゲそうな細かいことを言うらしく、ベルトやアンダーシャツ、ソックスの色の微妙な違い(紺と黒とか)もNGになるのだという。
……クソ食らえである、ハッキリ言って。
わたくしどもは、ていうかわたしは、そんなハゲ大会に出るつもりはいっさい無い。こっちからお断りである(まぁ現状は実力の点で向こうもお断りでしょうが)。野球というスポーツの本質的部分には最大限の敬意を払うつもりだが、それ以外の、ハゲが決めたナンセンスな規定には従う必要を感じないのである。
……がしかし、そのうち「大会」には出たい。いつまでたっても「練習試合」ばかりじゃアレですからね。
となるとここはやはり、連盟とは無縁のインディーズ系リーグを発足させるしかないのだろう。ていうか最初からわたくしはそのつもりであった。実は私設リーグの名称もすでに考えてある。
「ICBM」である。
正式名称は「国際中年野球リーグ」で、英文表記は「International Chunen Baseball Meeting」。その頭文字を取って「ICBM」だ。……まあM=Meetingのところがちょっと苦しくてダサいのはわたしもわかっているので、そこは見ないふりをしていただけたると助かる。
で、ICBMの基本的なルールは以下のとおりである。
■スパイクの色は自由
■アンダーシャツとかの色は基本統一だが、ちょっとぐらい違ってても全然OK
■3桁までであれば背番号自由
■選手交代自由(出し入れ自由)
■希望するなら「全員打ち」も可
……まあ要するにこれは、全国のそこかしこで普通に行われている「ゆるい練習試合」におけるローカルルールそのままで、目新しい点は一つもない。ただそれに「ICBM(国際中年野球リーグ)」というもっともらしい名称を付けて、そして当チームを含め合計6~10チームぐらいでアニュアルなリーグ戦を戦ったら、じいさんになって死ぬまでの間の最高のエンターテインメントになるのではないか……と思っているだけの話である。
もちろん、単なる語呂合わせとはいえ「International」とうたっているからには、我がICBMは在日外国人主体のチームも大歓迎である。ぜひ「国際試合」で盛り上がりましょう。わたしが人生で行った唯一の国際試合は、草サッカー選手時代の対在日コリアンチーム戦だが、あれは本当に盛り上がったですよ。
わたしは特にナショナリストってこともないし、コリアの人々に対しても何ら含むところはない。しかしいざホイッスルが鳴り、そして相手チームがハングルで「○#□@△$!」と声を掛け合っているのが聴こえてくると、不思議なもので脳内に君が代が響きわたり、そして「……こいつらだけには絶対負けられねえ! もちろんラフプレーとか乱闘とかするつもりはないけど、少なくともぜってえ走り負けねえ! 心臓破れるまでオレは走るぜ! うおおおおおおおおお!」という気分になってくるのだ。気持ちだけはW杯予選時のカズである。いや楽しかったですよ。負けましたけど。
まあ、ということでいろいろなことを構想(妄想)している小生ですので、死ぬまで退屈することはなさそうです。問題は、身体が言うことをきかなくなるまでにちゃんと上手くなり(わたしだけじゃなくチームメイトのおっさんたちも)、ICBMをとっとと立ち上げられるのか? ということですが、まあボチボチと急ぐでありますよ。
押忍。