中年野球。

下手でもいい。でも上手くはなりたい。人間だもの。

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中年野手がなぜかフライを取れない原因はこの2つ!

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過日、我が中年草野球球団「東京フォッケウルフ」の第2戦が行われ、結果として11対13で残念ながら初黒星を喫した。が、なぜか終盤に打線が爆発して猛追するという我が軍の伝統は今回も継承され、わたくし自身も今戦は「3打席3強振」という積極性を発揮することができた。

 

わたし個人の打撃成績はライトフライと惜しいショートライナーが各1本、そして最終回の走者一掃2点タイムリー2ベース。自分の打撃については(ある程度)満足しており、他の選手各位においても「とにかく振れ! 空振りでもいい、たくましく振ってほしい!!!」というチームの基本方針が浸透し始めたか、ガンガン振り、そしてたまに当たっていた。

 

それでいいのだと思う。

 

このあたりの価値観は人それぞれだが、わたしとしては「まずは四球でランナーを溜める。ツースリーまでは見ていけ」「カットカットの連続で相手投手を疲れさせろ」みたいな野球をするつもりは一切ない。強振ひと筋48年である。中年球団が目指すべきは、目端の利いた小賢しい強豪学童チームみたいな戦い方ではなく、開成高校野球部のごとき「まっすぐな戦い方」であるべきだと確信しているのだ。

 

「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)

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まぁ打撃はさておき、個人的な主テーマである守備はどうだったか? 相変わらずへっぽこでポンコツなショートストップではあるのだが、へっぽこポンコツなりにシュアな守備を心がけた結果、まぁそんなに悪くはなかった。決して良くもなかったのだが、「現時点のわたしにできることはそれなりにやった」という感じだろうか。

 

しかし一つ、かなりいただけないプレーがあった。

 

いわゆるバンザイによるフライの落球という、かなりダサいプレーだ。

 

そのプレーを周囲で見ていた者は「バンザイ」だとは思わなかったかもしれない。「あぁ、ただの落球だな」と思った人がほとんどだろう。確かにそうなのだが、しかし真実は「微妙なバンザイ」だったのだ。

 

かなり高くまで上がったショートフライだった。しかし飛距離はさほどでもなく、わたくしは「数歩下がるだけで落下点に入れるな……」と判断し、半身の体勢ではなく、身体を正面に向けたままペタペタと数歩後ろに下がった。で、読みどおりそこがドンピシャの落下点だった。

 

しかしあまりにもドンピシャすぎた。

 

落下点に入ったわたし。あまりにもドンピシャなものだから、高くまで上がったボールに対して特にやることがない。知らず知らずのうちに身体は固まり、ただただ落下を待つ。で、読みどおりのポイントに落ちてきたわけだが、実はほんの少々、具体的には読みよりも15cmほど、後方に落下してきた。

 

……上手い人であればなんの問題もない「15cm」だが、36年ぶりに野球を始めて半年の中年ショートストップにとっては、ましてや落下点の真下で(無意識に)身体を硬直させてしまっている中年にとっては、思いのほかデカい15cmであった。

 

「あっ!」と思った時にはすでに遅く、わたしはフライをグラブに当てながらもダサく落球してしまった。

 

このプレーにおける問題点は2つある。まず一つは「身体の動きを完全に止めてしまったこと」だ。止めようと思って止めたわけでなく、あまりにもドンピシャの位置に入ってしまったため自然と止まってしまったのだが、これがいけなかった。打球を取るときは捕球の超寸前まで、身体をちょっとでもいいから動かしていなければならないのだ。

 

長くなってしまうが、わたくしが敬愛する「火の玉」さんの草野球ブログ『10倍野球が楽しくなる。鬼メンタルの作り方』2013年4月15日掲載エントリから引用させていただこう。火の玉さん、ありがとうございます。

 

(引用開始)

「守備の上手い人、下手な人の差はこの1点しかありません。

その1点とは……… ボールを取る、そのときまで体のどこかが動いている。

ここに注目してください。

 

初心者に近づけば近づくほど、グローブを早めに出してボールが来るのを硬直して待っています。

少年野球を見てると思います。

ボールを待っている時間が長いなって。

中学野球を見ると少年野球よりは直前まで動いていますが、やっぱり「あっ止まった」と思うのです。特に真正面の早い打球に関してはまったく動けていません。

 

取るという作業で止まってはいけません。

 

私も内野ゴロを処理する際に相手から「やるよ、やるよ」って言われる時があります。

これは野次ではありません。

見ている側がなんとなく気がつきます。

これはエラーしそうだと。

そこでやるから全力で走れとバッターランナーにアドバイスしているのです。

このやるよって言われたときは、絶対に止まってしまっています。

止まれば、投げると言う作業が新たに生まれて、準備、送球となります。

(中略)

ぎりぎりまで動きバウンドを合わせて、取るときはスッと取る。

こういう守備がでているときは、「やるよ、やるよ」とは言われません。

だからこれは野次ではなく、自分の守備が止まっているのです」

(引用終わり)

 

……まさにコレだった。ていうかあのフライが落下してくる際、実はわたし自身が「やるよ、やるよ」と思っていた。で、案の定やってしまった。ほんのちょっとだけ後方に来たフライを、ほんのちょっとバンザイしてしまったのだ。身体のどこかを寸前まで動かしていたら、たかが15cmの誤差は普通に吸収できただろう。

 

そしてもう一つのエラー原因が「ドンピシャの位置に入ってしまったこと」である。フライを取るならドンピシャ落下点にいたほうが良いように思えるが、実はそれは正しくない。本当はドンピシャの位置よりもやや後方でスタンバり、そしてやや前進しながらフライを捕球するというのが正しいお作法なのだ。そのことをわたくしは知識としては知っていたが、とっさの場面で身体が動かなかった。思わず落下点(マイナス15cm)の場所で完全静止してしまったのだ。

 

無論、わたしなどより全然上のレベルの野手にとっては(世の中の野手の大半はわたしより上だが)また別の話もあるのだろうが、わたしが見る限り、自分を含む経験の浅い中年野手がフライを落としたりバンザイしたりする原因の大半はコレである。つまり「捕球の寸前まで身体のこどかを動かしていないこと」と、「落下点よりもやや後方に位置していないこと」である。

 

この2点さえ十分意識し、そして自然と実践できるまでイメトレと実トレを重ねれば、中年野手のフライエラーの数は格段に減るはずだ。まぁこれは全部自分に対して言ってるんですけどね……!