中年野球。

下手でもいい。でも上手くはなりたい。人間だもの。

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来たれ中年! もう一度やろうぜ野球!!!

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超絶運動不足による成人病の危機から脱出するため。人生の後半生をより充実したものとするため。そして何より「そうだ、もう一度野球やろう」となんとなく思ったため。四十路後半にしてわたくしは「中年野球」なるスポーツを始めてみることにした。

 

中年野球。……耳なじみのない言葉かと思うが、当然である。わたしの造語だ。 

 

 

 

そもそも中年野球とはなんぞやということを説明するためには、まずは本邦における「さまざまな野球の種類」を整理しておく必要があるだろう。

 

わたくしが考える本邦の野球的階層は以下のとおりである。

 

■ままごと野球:幼稚園児から小学1年生ぐらいの、主に男子が公園や空き地などで行う、単なるキャッチボールを含む「野球っぽい何か」。たいていの野球人はここからそのキャリアをスタートさせる。

■少年野球:近頃は女子児童も多いため「学童野球」と呼ぶらしいが、わたしの頃は少年野球と呼ばれていた。小学校や地域自治体などが主宰する、軟式球を使う野球。

■リトルリーグ:小学生を対象とした、硬式球を使用する野球。素人目には少年野球(学童野球)とよく似ているが、実態は似て非なるもので、こちらは相当のエリートである。

■中学野球:各中等学校が主宰する、軟式球を使う野球。

■リトルシニア、ボーイズリーグ:中学生を対象とした、硬式球を使用する野球。素人目には中学野球とよく似ているが、実態は似て非なるもので、こちらは相当のエリートである。

■高校野球:各高等学校が主宰する、硬式球を使う野球。エリートもいれば、非エリートもいる。学校によっては軟式級を用いる「○○高校軟式野球部」が併設されている場合もあるが、「高校野球」という場合は一般に硬式野球部のほうを指す。

■大学野球:高校野球の大学生版。

■社会人野球:「社会人がやる草野球」のことではなく、いわゆる実業団野球。硬式級を使用し、有力選手はここからプロ野球に進むことも。

■プロ野球:言わずと知れた職業野球。NPB(いわゆる普通のプロ野球)のほかに「独立リーグ」も各地に存在している。

 

……と、ここまでが通常の階層というか階段。「ままごと野球」から始まるそれぞれの野球人生は、人によっては最高峰の「プロ野球」までたどり着き、また人によっては「高校野球」や「大学野球」「社会人野球」まで超絶本格的な練習を重ねる。しかしたいていは「少年野球まで」か、せいぜい「中学野球まで」というのが一般的であるだろう。ちなみに筆者は「少年野球まで」のクチだ。

 

で、さまざまな者が、さまざまな理由により、さまざまなタイミングで野球をやめる。なかにはブランクなしでずーーーっと続ける人もいるが、それは少数派だろう。人は野球をやめる生き物なのだ。知らんけど。

 

そしてあるとき、また再び始める。そう、「草野球」をだ。

 

そんな草野球のなかにも実は2つのカテゴリーがある。一つは「本格草野球」だ。

 

高校野球か大学野球、あるいは真剣な中学野球ぐらいまでを経験し、その後もブクブク太ることなく、「まだ年齢的に若い」とか「けっこう筋トレしてる」「仕事がガテン系である」などの理由で現役に近い体力と運動センスを維持している者らが、割と真剣にやっている(そして実際かなり強かったりする)草野球。

 

それは、わたしに言わせればただの草野球ではなく「本格草野球」と呼ぶべき種目だ。その選手らをわたくしはリスペクトしているが、それはわたくしが目指し、そして今実際にやっている種目とはまったく違う。

 

わたしがやっているのはあくまでも「中年野球」なのだ。

 

中年野球とは何か? それは「体力的にも技術的にも全然イマイチな(ハッキリ言ってド初心者多数を含む)おっさんたちが、無茶を承知でトライし、そして結果として大いに楽しむ草野球」のことである。

 

「野球観るのは好きなんだけど、実は今まで1回もプレーはしたことないんです。(東京都・44歳 会社員)」。……大丈夫、中年野球ならどんと来いである。

 

「少年野球はやってたけど、その後40年ぐらいボール触ってないんで、どこまでできるやら……。でも久しぶりにやりたいな、と。(埼玉県・50歳 自営業)」。……やりたいと思ったなら、絶対にやったほうがいい。そんなあなたのための「中年野球」だ。

 

「高校まで硬式でやってました。まあまあ強い学校でしたよ。……でもその後まったくスポーツらしいスポーツはしてないんで、こんなお腹になっちゃいましたけど、たはは……。(神奈川県・46歳 会社役員)」。……あなたは中年野球界の超エリートであり、幹部候補生だ。ぜひとも参加してほしい!

 

とまあこんな感じのおっさんたちが、まずは集まってみる。で、何十年かぶりに物置からグローブとバットを引っ張りだすか、もしくは新たに買うなどして、とりあえず最低限の道具をそろえてみる。んで、とりあえずはどこか河川敷とかのグラウンドを予約して集まっちゃう。

 

 「でも俺はプロ野球選手にヤジを飛ばすのは得意だけどプレー自体はまったくの未経験なんで、恥ずかしいし、チームに迷惑かけそうだし……。(東京都・44歳 会社員)」

 

 や、心配ないっす。周囲の人間もあなたと同じようなもんですから。高校までやってた人だって、かなりのブランクがあれば落ちますし、少年野球までしかやってなくて、その後30年以上のブランクがあるわたしなんざ、あなたとまったく同じですよ。ド初心者です。だから「経験の有無」なんて中年野球ではさほど関係ないんですよ。

 

必要なのは「……じゃ、恥ずかしながらやってみるか!」という踏ん切りだけ。で、あるときそんな踏ん切りをつけて中年野球を始めてみたおっさんが、まさにわたしだ。

 

始めてみた結果の感想はというと……最高である! 踏ん切りをつけて本当に良かったと思っているし、良かったと思うあまり、こうしてブログまで始めてしまった。

 

のっけから長い文章になってしまったが、これをお読みいただいて「うむう……じゃあオレも始めてみようかな、どうしようかな……」と思ったあなたのために、これからおいおい「中年野球の始め方」「中年野球選手の練習法」「中年野球選手の試合術」などについて述べていきたいと思う。お付き合いいただけたら幸いだ。