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中年野球。

下手でもいい。でも上手くはなりたい。人間だもの。

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「素守備」のすゝめ

上達法

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超絶運動不足による成人病の危機から脱出するため、人生の後半生をより充実したものとするため、そして何より「そうだ、もう一度野球やろう」となんとなく思ったため、四十路後半にしてわたくしは「中年野球」なるスポーツを始めてみることにした。

 

とはいえ、チーム内にはやはり「温度差」のようなものはある。

 

わたしなんぞはヒマな自由業者であるため、極端な話「週5で練習!」みたいな話になっても全然OKなのだが、まっとうな社会人はなかなかそうもいくまい。で、まっとうな社会人のなかでも「月2ぐらいがいいなぁ」という者もいれば、「いやいや月イチで十分でしょ」という者もいる。いずれにせよ、チーム練習ができる回数というのはそう多くはない。

 

そんな感じのペースでのんびりと上達の道を歩むのも一興だが、あいにくこちとら残り時間が少ない。簡単な話、中年なので早く練習しないことには上達しないまま死んでしまうわけだ。死なないまでも、身体がいうことをきかなくなるまでの時間はそう大して残されているわけではない。

 

となると「個人練習」ということになるわけだが、最近の都会はボールの壁当てをすることすらままならないシチュエーションゆえ、個人練習つってもそうそう何かができるわけでもない。

 

そこで「素守備」だ。

 

 

 

素守備(すしゅび)といっても聞きなじみはないと思うが、当然である。わたしの勝手な造語だ。

 

素守備とは、ベース上に向かってくる投球をイメージしながらバットを振る「素振り」のように、公園などで「自分の守備範囲に来る打球をイメージし、捕球し、しかるべきステップを踏んだのち送球する」というイメージトレーニングである。

 

これがけっこう効くのだ。

 

いや、本格草野球選手としてバリバリやってる人からすると笑っちゃうような練習かもしれないが、あいにくこちとら「基礎練習」というものから離れて数十年である。すべてのことは完全に忘れているのだ。


「内野ゴロを取るときのグラブの出し方はこう」
「足の運びはこう」
「送球のテイクバックはこう、投げ方はこう」
「フライを追うときはまず半身の姿勢になって」

 

……すべて忘れている。頭でも忘れているが、身体も忘れているのだ。

 

こちとら阿呆ではあるが、そこまで馬鹿でもないので、そういった基礎的な技術は、いざ草野球をやろうと決めればいちおうブログや動画、書籍などで学ぶ。そして、グラウンドでそれを実践しようと試みる。

 

だができないのだ。いくら頭で学んでも、いざパーン!と打球が来ると身体はイメージ通りには動かない。固まってしまう。ヨイヨイのおっさんみたいになってしまうのだ。

 

2カ月ほど前の練習でこんなことがあった。

 

シートバッティング中、わたしはショートストップの位置に入っており、誰かは忘れたが、誰かがショートやや後方への内野フライを打ち上げた。言うまでもないが、そういった場合は「半身の姿勢」をとり、そのうえでダダダッと後方に走ったうえで余裕で補球する。ごく当たり前のプレーである。

 

しかしそれができなかった。

 

ヘッドコーチのI平が「ショート、バック!!!」と大声で指示を出す。それはちゃんと聞こえている。が、わたしの身体はどうしても本で覚えた(思い出した)半身の姿勢にはならず、正面を向いたままヨロヨロと上空を見上げつつ後退し、そして当然ながらフライはわたしの後方に虚しく落下した。……「自動車バック」を経ての「バンザイ」である。ド素人丸出しである。

 

これはイカンと思ったわたくしは、翌朝から「素守備」に取り組んだ。

 

朝7時頃、近所の広い公園へジョグで行き、園内を軽く1周したのち、広場で守備位置につく。守備位置っつってもわたしが脳内で勝手にイメージした位置だが。当然ホームベースの位置も決め、そこを起点に一塁、二塁、三塁の各ベース位置も決めておく。特に一塁ベースは樹木など、何らかのわかりやすい目印があるといいだろう。

 

で、守備位置へ。そして正面のゴロがくる。いや実際にはこないのだが、まあそれを脳内で明確にイメージする。最初は弱めの正面のゴロ。あせらず、正しく捕球し、正しいステップを経て正しくファーストのM浦さんに送球することを心がける(脳内で)。それを3回続けてスリーアウト。次は向かって左方面のゴロで同じことを、その次は右側で……とひたすら繰り返す。

 

ゴロさばきとステップおよび送球がある程度仕上がったら、お次は内野フライだ。「キンッ!」と打たれたボールがフライとして上がる(上がってないんだけど)。サッ!と半身の姿勢をとったわたしは「やや深い!」と判断し、強めのダッシュで斜め後方に殺到する。間に合った! で、余裕をもって顔の横ぐらいでキャッチ……つーことをひたすら繰り返すのが「素守備」であり、このところのわたしの日課だ。

 

これならば、チーム練習のスケジュール如何にかかわらず、自分自身のペースで己の技量を高めていけるわけだ。最高だぜ素守備!

 

しかしここで当然、「そんなんで技術は向上するのか? 気のせいなんじゃないか?」という疑問もあがるだろう。

 

それに対しては、「正しいムーブを見につけたうえで素守備をすること」という条件付きではあるが(間違ったクセのまま素守備をしても悪影響しか及ぼさないだろう)、技術は向上する! と言い切りたい。なぜならば、その後のわたくしのチーム練習での捕球実績がそれを証明していると(自分では)思うし、また東京ヤクルトの「6さま」こと宮本慎也元選手も、聞くところによればある時期、ひたすら素守備に打ち込んでいたというからだ。

 

わたしが言っても説得力はまるでないだろうが、6さまが言うならば納得していただけるはずだ。中年野球選手の素守備、大いにおすすめである。