中年野球選手、老眼との戦い(途中経過編)
老眼オンドルセク。……中年の東京ヤクルトスワローズファンであれば誰もが一度はつぶやいたことがあるはずの親父ギャグだが、それはさておき、中年野球選手にとっての大敵の一つが「老眼」であることは論を待たない。
相手ピッチャーの球も、正面に来る鋭く低いゴロも、とにかくボールが見えないのだ。
晴天であればなんとかなることも多いが、ちょっと天気が悪かったりちょっと時間帯が遅かったりすると、途端に見えなくなる。わたしの場合はもともと極度の近視に加えて強度の乱視があり、さらにここ1、2年は老眼も始まってしまったため、もはや何がなんだかわからない。わたしという遊撃手にエラーが多いのは、下手だからではなく(いやもちろんそれもあるが)、老眼という不治の病を患い始めたからでもあるのだ。
しかし、だ。わたくしは今、老眼のことを「不治の病」と言ったが、本当にそうなのだろうか?
何らかの科学の力を借りることで、この病と立ち向かうことはできるのではないだろうか。そして再び「ある程度見える目」を手に入れ、ピッチャーの球はビシビシと打ち、そして鋭く速いゴロも楽勝でさばく敏腕中年野球選手として花開くことも、可能っちゃ可能なのではないか?
そう考えたわたくしはさっそく「老眼克服プロジェクト」を個人的に発動させた。忘れもしない昨年12月22日のことである。そして今回のエントリは、そのプロジェクトの途中経過報告だ。
まずわたくしは楽な道を選んだ。「サプリ飲めばなんとかなるんじゃねえか?」と。
調べてみると、老眼対策サプリとしてはファンケルの『えんきん』なる製品が人気らしい。しかし30日分60粒で2160円といささか高く、その割にはAmzonでの口コミ評価がイマイチ低かったのが気になったため、Amzonの当該カテゴリーでは一番人気で評価も比較的高かったDHCの『ブルーベリーエキス』というものを購入した。わたくしが買った時点でのAmazon価格は60日分120粒で1254円であった。
で、さっそく12月22日から飲み始めた。60日間ではないが30日間、1日2粒きっちり飲み続けたわたくしの眼に、何らかの良き変化は起きただろうか?
……何も起きなかった。相変わらず夕方になると目は霞みピントは合わなくなり、ていうか朝っぱらからピントはイマイチであり続けた。
そもそもDHCのブルーベリーエキスは「老眼に効果的ですよ!」とうたっているサプリメントではなく、あくまでも「疲れ目対策」みたいなニュアンスだ。そして当然ながら効果が(ある程度)約束されている医薬品でもない。それゆえ仕方ないっちゃまったく仕方ないのだが、とにかくダメだった。無論、DHCブルーベリーエキスで何らかの改善がなった人も多いのだろう。実際そういったAmazonのレビューも多いので、そこを否定するつもりはない。
しかし老眼サプリというのは、というかそれに期待をかけたわたしの心理は、多分に根本的に「ダメ要素」を含んでいた気がしてならない。
「飲むだけで改善!」とか「たった○○するだけで何々!」というのは、よく考えてみれば宇宙のメカニズム的にありえない話なのだ。そりゃ「金色の長財布を使うだけでお金ザックザク!」とか「このネックレスを巻くだけで美女にモッテモテ!」となるならば言うことなしで、わたしとしてもぜひそうなりたいところではある。
が、フツーに考えてそれはないのである。
何かを得たいと思うならば、それに対してフィジカルに、そして科学的に、何らかの具体的エフォートを行うほかないのがこの宇宙だ。わたくし自身は地位も名誉も金もない中年のおっさんだが、それでもいちおう飢え死にしない程度には稼ぐフリーランサーであり続けているのは、別に通販で買ったネックレスを巻いているからでも、何か物を書くのに効果的っぽいサプリを飲んでいるからでもない。ただただ日々学問し、研究し、ときに得意先に土下座まんじゅう営業をカマすなど、フィジカリーなエフォートを続けているからである。
そこに改めて気がついたわたくしは残り30日分が入ったサプリの袋をゴミ箱に捨て(ウソ。本当は残りをチビチビと飲みつつ)、次なる一手を探した。
次なる一手は、やはりフィジカリーな何かである必要がある。そもそも老眼のメカニズム自体が血流の悪化や筋力の衰え、水分量の低下などにより水晶体や毛様体筋が硬くなり、ピント調整能力が落ちるということだ。であるならば、そこを根本的に何とかするには「筋トレ」のような手段でなければならないはずだ。中年が筋肉つけたければ高価な市販プロテインを飲むのではなく、まずは腹筋や腕立てなどの筋トレをしないことには話にならないのと同じである。
そういった観点でAmazonの老眼カテゴリーを見渡していると、うってつけと思われる一つの品があった。コレ(↓)である。
医学博士である日比野佐和子さんというなかなかの美人先生が開発したもので、説明を読むと、どうやら「眼の筋トレ」のような内容であるらしい。それであれば、わたしの眼に効果が出るかどうかは未知数なれど、理屈としては合っているはず。で、Amazonのカスタマーレビューでもどうやらなかなかの高評価を得ている模様。
「これならば……」と期待をもってわたくしはポチり、そして本年1月22日より1カ月間、1日3回、わたくしは日比野先生の「まいにち、眼トレ」をサボらずやり続けた。……いや、正直いうと1日3回はできず、ちょっとサボって1日1回しかやらなかった日も何日かあるが、丸1日以上サボった日はない。ワンダーコアで腹筋運動に励むマダムのように、わたしは眼トレをしっかり30日間続けた。
で、結果は……なんとも微妙なところだ。
少なくとも「劇的に老眼が改善された!」とは(残念ながら)いえない。しかし日に日にハイペースで進んでいた老眼が(昨日より今日、今日より明日という恐ろしいハイペースで進んでいたのだ)、確実に「進まなくなった」とは言える。なんとか、悪いなりにキープはできているのである。これは、ブクブクと日に日に太り続けていた人が「ヤバい!」ということで毎日の軽い運動を30日間続けた結果、体重はさほど減ってはいないものの、少なくともブクブク太り続けることはなくなった……という状況と同じなのかもしれない。
「……方向性としては合っている!」
そう確信したわたしは、日比野先生の「まいにち、眼トレ」は続けつつ、それ以上の“筋トレ効果”がありそうなアイテムを探した。そして地元駅前の書店でたまたま見つけたのがコレだ。
眼科医が考案!自宅でできる老眼改善メソッド: 1日5分かけるだけ!老眼用眼筋トレーニングめがね付き (GAKKEN HIT MOOK)
- 作者: 本部千博
- 出版社/メーカー: 学研マーケティング
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……なんとも怪しげな黒メガネ付きBOOKで、「1日5分かけるだけ!」と表紙で軽々しくうたわれているが、これは出版社の一つの販売手法であり、中身はいたってマジメな筋トレ系だ。
こちらをやり始めて現在1週間。……あと3週間が経過し、1カ月やりきった時点で老眼対策の「完結編」をお届けしたいと思う。押忍。